よく言われる話である。たしかに正しい時も多い。しかし常に正しい訳では無さそうである。 例えばこういうシーンを想像してみよう。 ある技術者が、会社に在籍7年、技術一筋でやってきたところ、営業への転向を言い渡され、営業部に異動することになった。(実例として、シャープは去年、生産・研究部門の社員900名を営業へ配置転換している)
営業は、技術者にとって未知の世界であり、スキルを身につけるには時間がかかる。 ただ、長期で見れば顧客の視点で自分たちのサービスを見るのは決して悪い選択ではない。
果たして、会社に従って営業を頑張るべきなのか、それとも、不満を隠さず転職を考えるべきなのか。 はたまた会社にとどまって、時期を待つべきであろうか。
まず認識が必要なのは、「どんな仕事であっても、一流になるにはとても時間がかかる」ということだ。
従って、営業としてキャリアを改めるならば、その仕事を極められるのは30代後半である。 その頃には転職をしたいと思っても、選択肢は今よりは少ないだろう。
したがって、軽はずみに「営業をやります」とはカンタンに言えないはずである。
不本意な仕事、つまらない仕事は誰も避けて通れない。だがもし、「 テレアポは1年やるのはいいが、5年やるものではない。」と思うなら、1年経ったらすぐやめていいのだ。テレアポで一生食って行くなら別だが。人生の貴重な時間を、浪費するわけには行かない。
とどのつまり、一流になるには自分の仕事を慎重に選ばなければならない。余計なことをしている暇はないのである。
何事も、楽しくやれなければ長続きしないし、一流になるには血のにじむような努力が必要だ。そのように 自分を変えるのは並大抵の努力ではできない 。
故スティーブ・ジョブスは言った。「もし今日が人生最後の日だとして、今日やろうとしていることは、本当に私がやりたいことだろうか?それにノーという日が続くと、そろそろ何かを変える必要がある」
何が役に立つかは現時点ではわからない。営業が役に立つかもしれない。役に立たないかもしれない。
だから、 本当に自分を信じれば、迷うことはない。自分がしたい仕事、一生懸命真剣に出来る仕事だけをすればいいのだ。
今の会社にとどまる理由もないかもしれない。
自分に問いかけてみる。自分にやりたいことがまだ見つからないなら、与えられた仕事でまず一流を目指すか決めれば良い。
それが嫌なら、どの仕事で一流を目指すか、早く選択しなくてはいけない。決断は早ければ早いほど一流になれる可能性が上がるのだから。
会社に不満があるなら、自分を変える前に「選択すること」「決断すること」が要ではないか。自分を変えるのはそれからでも遅くない。