ブラック企業という言葉が大流行しているが、今度は「ブラック労働者」という言葉が出てきた。面白い。この記事によれば、ブラック労働者というのは
- 女性
- 持病のある人
- 転職回数の多い人
- 3年以上の浪人を経験した人
- 留年経験のある人
- 40歳以上の中高年
- 学歴のない人
- 能力のない人
という人たちのことを指すという。給料以上の働きをしない人、もしくは、給料以上の働きをしなくなる可能性のある人全てだ。このような人達は採用のプロセスにおいて、出来るだけお引取り願う人達であり、企業にとってはお荷物になる可能性の高い人々である。
ホワイト企業は、上のような人は雇わない。そして、ブラック労働者はブラック企業に流れ、ブラック企業はそのような人々によって会社が倒産してしまわないよう、さらに労働者を搾取しようとする・・・。
こうして、ホワイト労働者はホワイト企業で、ますます勝ち組になり、ブラック労働者はブラック企業とともにますます堕ちていく。そして格差はさらに広がるのである。
・・・ここまで読んでみて、「なんかおかしい」と思った方。いるでしょうか?どこがおかしいんですかね?
「女性」を一括りで扱うのはおかしい、とか、「40代以上でも使える人はいる」とか、そんな反論でしょうか。まあ、そのとおりだと思います。
が、実際にホワイト企業に応募した時に選考に残りやすいのは、「若くて、男性の、スキルがあって、やる気があって、成果を残している、学歴の高い」人であるのは事実でしょう。
したがって、「ブラック企業」は最初から、「ブラック労働者」の温床なのです。
少し甘い顔をしたら、「有給をフルに使われて、育児休暇もしっかり取得されて、給料が安いと文句を言われ、せっかく育てた人はホワイト企業に引きぬかれ」てしまうのが、「ブラック企業」の現実なのです。
そりゃ、ブラック企業の経営者の気持ちもちょっとは分かりますよね。
・・・でも、この論争、どこに持っていけば、生産的な話し合いになるんでしょうか?また「階級闘争」のような話になっていくんですかね・・・。