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私は前職は東進ハイスクールの校舎に勤務し約10年間受験指導を行っていました。私が入社した10年前は、映像授業を本格的にはじめた頃でした。本格的というのは、本当に映像授業だけの予備校として運営をはじめたのがその頃なのです。それで映像授業の中の講師とは別に生徒の受験指導を行う役割の人が必要になり、それは担任と呼ばれ私は主にその仕事を行っていました。
そんな東進で働きはじめてまだ2年目の頃に私が担任をしていたのが彼です。
赤間くんです。現在某Lという消費財メーカーに勤めています。
10年ぶりの再会です。なんだかんだでFBで繋がり、このAirbnb日記を見ていて楽しそうだと思いついに泊まりに来ちゃったって感じです。
このブログ書いていてよかったです。
彼もホストをはじめたいそうです。っていうか、もうはじめちゃいました!はじめさせちゃいました。やっぱりいざホストをはじめるとなると不安だし、最後は誰かに背中押して欲しいものです。私はそんな人の背中を押す役目の東京コミュニティーリーダーなのであります!ホストはじめたい方はぜひご相談ください。
ところで、彼は私にとって非常に重要なことを教えてくれた生徒のひとりです。ここからは私の個人的な話になります。Airbnbとは関係ない話になります。たぶん長くなります。もちろん読んで欲しいですが、興味がない方は読み飛ばしてください。でも、今日はどうしても話したいので書きます。
彼は、高校時代はある大学の付属高校に通っていました。付属高校に通っているというのは、つまり大学受験をする必要がないことを意味します。いわゆるエスカレーターと呼ばれるやつです。そこで部活に打ち込んだり、バイトしたり、と大学受験以外の高校生活を思い切り謳歌できます。あの辛く厳しいと世間一般で言われている大学受験をする必要がないわけです。それでもそういう高校に通っていても、敢えて受験を選ぶ生徒もいて、彼はそのような生徒の一人でした。
果たして、彼は付属校に通いながら敢えて予備校に入ってまで、他の大学に行きたいと受験勉強をしたわけですが、残念ながら第一志望校に入ることができませんでした。第一志望校はおろか、第二志望、第三志望にも。
結果、元サヤに戻るかのごとく、通っていた付属高校の大学に進学したのでした。
そんな彼が受験が終わって私に言ってきた言葉が一生忘れられません。
「先生本当にありがとうございました。」
彼はそう言って、私にネクタイピンのプレゼントまでくれたのでした。あれだけ努力して結果的に志望校に行けなかったにも関わらず。
自分自身は受験指導のプロ(つまり相手からお金をもらっている)としてやっているつもりだったので、どんな場合であれ成果を出せないということは、担任失格と思っていました。しかし、彼のこの行動によってある一つの真理を知ったのです。
それは自分が行っていることが、どこかに合格をさせることではなく、もっとも大事なことは本人のできる限りの努力を引き出すことにある、ということを知ったのです。それは成果をないがしろにするというわけではありません。
成果を出そうとするのはプロとして当然です。だからこそ、どのような生徒にも大学受験で必要な勉強量を示します。それは絶対に妥協しなくなりました。例えば、センター試験はどれくらいの点数とれば良いかのかと言われれば迷わず9割以上と答えます。ではそれはどれくらいの勉強量ですかって言われれば迷わず過去問20年分と答えます。君にはもう時間がないから7割でいいよとか、だから5年分でいいよ、とは絶対に言いません。
問題は、それをどこまで遂行できるかであって、それに近道はないです。過去問20年分やろうとする過程が、受験勉強の進捗状況です。教科書レベルのことすら終わってない生徒の点数は4割以下でしょう。教科書終わらせていても覚えるべきものを未だ考えて導き出そうしていたら6割程度でしょう。8割程度で満足している生徒は、本気で満点とろうとしている生徒が訓練することによって常に9割とれる実力を身につけていることを知らないでしょう。
合格するしないは、どの過程で受験が来たかということに他なりません。不合格とは時間不足に他なりません。
そして、受験勉強はその過程にこそ本人の成長があるのです。彼は、その過程で精一杯努力し、成長できた実感があったからこそ、最後に感謝してくれたのだと思います。
彼はその後、大学受験をした時の努力を無駄したくないという思いと己のプライドのために大学入学後も大学を変わることに拘り、大学3年次に編入試験を受け、結果的に国立大学に行ったのでした。
「ああ、努力って自ら報わせるものなんだなあ」。
私は本人の能力云々よりも、人としての逞しさを感じたのでした。 彼の成長は本物でした。
私はこの時の経験が転機となり、逆説的ですが自信を持って全く妥協しない受験指導ができるようになりました。グダグダ言う前にさっさとやろうぜって感じです。やるべきことは分かってんだから。
現在では東進は辞めましたが、誰かに役に立つ知識をそれが役に立つ誰かとシェアするためのWEBサイトCloud Teachersを立ち上げ、
私はその中で 大学受験指導を行います というカリキュラムで受験指導を行っています。
これから何をすべきか迷っている高校3年生や浪人生、来年再来年の受験に向けてどのように学習をしていくべきかを模索中の高1、2年生に、家庭教師という形で指導を行っています。そのようなことにお困りの方はぜひご相談ください。
また、このサイトは誰でも簡単に先生になり学習カリキュラムを公開することができます。「自ら努力をして得た知識を誰かの役に立てたい」という方はぜひご利用ください。先生の学習カリキュラムの公開は無料です。特に勉強好きな先生が勉強好きな生徒を多く生み出してくれれば、いいなあと思っています。ご興味のある方はぜひよろしくお願いいたします。
ネクタイピンの写真を撮る赤間氏。彼はこの話を今回はじめて知りました。
記念撮影。今さらお返しのバッグ。彼には本当に感謝しています。
(Vol.123へつづく)
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