詩とは簡略化された長い文章の短文。
ある情景を3つの語句にまとめると、それは絵となり、やがて映像となる。
そんな新しい詩の形式。それが三語句詩。
第2回は、早速投稿者からの句をご紹介します。
1つめ
「エアコン フロ ビール」
(笑)これは一発で情景が思い浮かぶとても秀逸な句ですね。お父さんの流れるような体の動きが目に浮かびます。
投稿者のこーへーさん曰く「夏に仕事をしているとエアコンで身体が冷えてしまいます。そんな冷えきった身体を熱いフロに入って温める。そして風呂あがりにビールを飲む。芯から感じる快感と矛盾を表してみました」とのこと。
「フロとビール」を並べると「お父さん」が出てくるという発見が素晴らしいです。
「フロとシャンパン」ならば「美女」。
「フロとアヒル」ならば「子供」。
「フロと小便」ならば「パブロフの犬」。
様々な応用が利く表現ですね。
この句にはさらに素晴らしい表現が隠されています。
「冷 温 冷」 → 「− + −」 → 「−」 → 結局は涼しい
「気体 液体 液体」 → 「空 水 水」 → なんだかさわやかな気分
たった三つの語句でこんなにも多くのことが表現できるんですね。
素晴らしい句の投稿ありがとうございました。
2つめ
「目的 順序 配置」
この句を投稿してくれたのは、オレの隣に座る男ことアダチまたの名をサラリーマンのメシア。投稿っていうか昔一緒に飲んでた時(通称 ヘリクツ酒)にアダチの言葉を私が勝手にメモりました。そんなとこからも三語句詩は生まれます。
これはいわゆるビジネス三語句詩。
ドラッカー曰く「人事に関する手順はそう多くない。しかも簡単である。1 仕事内容を考える。2 候補者を複数用意する。3 実績から強みを知る。 4 一緒に働いた者に聞く。 5 仕事を理解させる」。(プロフェッショナルの原点より引用 ドラッカー他著)
やPMBOK(オレはよく知らない)などをハイレベルにまとめたものです。
この句で大切なのはその語句の順番です。この形式を「123方式」(ワンツースリー方式)と呼びます。
たった3つの語句で何がわかるんだ!と侮るなかれ。私の経験上、人に仕事を頼む時に失敗するのは、目的を考える前に人ありきで仕事を行う時です。そんな経験ありませんか?
私はこの句を知って以降、何か仕事を行う時に、必ずこの三語句詩を見返していました。うっかりしてると目的よりも先に人を決めてしまうんです。随分助けられました。
難しいのは「順序」ですが、アダチ曰く「手順と言うと陳腐だし、戦略と言ってしまうと言い過ぎなんだよ」。自分にとっては難しすぎて、この句は「人の配置よりまず先に目的を考える。そうしないと必ず失敗する」の法則としてだけ刻み込まれています。どこまで句を読み込めるかは本人の実力次第です。
ビジネスの現場で役に立つ三語句詩。さすがサラメシ。
3つめ
「孔子 Hiphop コーヒー」
ある時、カフェで論語を読んでいた。ふと気づくとiPodからはHiphopミュージックが流れてきた。
2500年前から受け継がれる人類の普遍的価値、好きな音楽がいつでも聞ける現在のテクノロジー、アフリカで栽培されたコーヒーを日本で飲む、オレ。
人間ってスゲー!(たぶん論語で感動していたからもある)、その瞬間に思ったのでした。
さらに偶然に起こった3つの組み合わせの妙。
「中国 アメリカ アフリカ」
「読書 音楽 飲食」
「知恵 cool シャレオツ」
これって詩的だ。
そう、何を隠そうこれが三語句詩が生まれた瞬間なのであります。2008年1月24日のことです。その日を三語句詩記念日と制定します。
三語句詩募集中です。これはと思った時の情景、日常の中のささやかな感動、後世まで残しておくべき格言的場面に遭遇したことなどを三語句詩にしてみてはどうでしょうか。ルールは「3つの語句(単語とは限らない)で構成する」のみです。ご応募お待ちしております。
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三語句詩 vol.1 、