会社は「売上目標」という目標を立てることが多い。私も売上についての目標を持つことは当然であると今まで考えてきた。しかし、最近になり考え方を改めつつある。理由は以下のようなものである。
- 「売上目標」はほとんどの従業員にとって大した意味を持たない。「売上があがったから、なんだって言うんだ?」
- 「売上目標」はほとんどの顧客にとって大した意味を持たない。「あなたの会社の売上があがろうが、そうでなかろうが、我々には関係ない」
- 「売上目標」は会社の存在意義にとって、大した意味を持たない。「会社は、売上をあげるために存在するのではなく、社会に貢献するために存在する」
なのに、経営者は相も変わらず「売上目標」を従業員に課す。従業員に売上ノルマを分割した所で、大した意味を持たないにも関わらずだ。
近年のモチベーション理論では、「稼いだ奴にはカネをやる、そうでない人間には罰を科す」という考え方は古い考え方として、もはや主流ではない。これをやれば、創造性は失われ、社員の自律性は低下し、イノベーションを起こす会社の能力は阻害される。これは実験によって既に明らかな事実だ。
従業員にも、顧客にも、存在意義にも、学者にとっても、「売上目標」は非合理だ。もはや、「売上目標」を従業員に課し、「信賞必罰」の旗のもとに社員をコントロールしようとする会社にイノベーションを起こす力はない。
売上、利益に関しての計画は当然必要だ。ただし、これは目標ではなく、あくまでも「自分たちが行なっていることの正しさを判断するための指標」として使う必要がある。正しい目標の作り方は
「顧客に◯◯◯という価値を感じてもらおう。その結果として、◯◯くらいの売上は行くはずだ。」
である。あくまで目標の中心はお客様が感じる価値に置く、これが現代の経営なのではないか。