医師やコンサルタント、弁護士、会計士など、世の中には様々な「専門家」が存在する。
また上にあげた特定の職業の人だけが専門家ではない。社内にも特定の業務を10年20年と長くやっている人は、「社内専門家」として重宝されているケースも多い。
でも、専門家はいつも正直とは限らない。
専門家が専門足りうる根拠は、情報の非対称性にあるからだ。すなわち、ある事項に詳しい人と、詳しくない人がいる。詳しくない人がいるから、専門家は重宝される。
相手のほうが詳しかったら、そこに仕事はないのだ。
だから、専門家は時としてウソをつく。自分の優位性を保つために。
時には「経験から言うと」といい、時には「データ」をつかって、巧妙に嘘をつく。自分の言っていることがさも正しいかのように、巧みに。
だから、専門家(自称専門家も含む)を使うときには、注意しなくてはいけない。
もちろん正直な人の方が多い。しかし、素人には区別がつけづらい。
そこで、「専門家のウソ」を見抜く方法を紹介する。
1.「絶対」と言い切る人は疑う
その道を極めれば極めるほど、「絶対」など無いことがわかる。そもそも正解があることは、専門家に聞く必要はない。Webで調べれば事足りる。
正解がないから、専門家がいるのだ。したがって、「絶対ではない部分」を専門家がどのように解釈しているかが、一番役に立つ情報である。
同じように、「9割確かです」など、言い切る人もウソをついている可能性が高い。
ただ、このようなウソは、必ずしも専門家の責任ではない。世の中には「専門家に言い切って欲しい素人」がたくさんおり、そういった人々にリップ・サービスをしているうちに、言い切るくせがついてしまった人が多いと思う。
なぜ「絶対」と言い切れるのですか?と根拠をきこう。
2.「知らない」と言わない人は疑う
専門家は、「何を知らないか」がきちんとわかるからこそ、専門家なのだ。素人は、「わからないことがわからない」人々である。どんな専門家でも全てのことを知っているわけではない。
雇っている専門家が全く「知らない」と言わない人ならば、「本当にわかっているのだろうか?」と疑ってもよい。
「苦手な分野は有りますか?」と聞こう。
3.選択肢を提示しない人は疑う
1.と関連があるが、正解が無いということは、常にそこには複数の選択肢があるということである。
専門家はとるべき選択肢を示せるから、専門か足りうる。あるアドバイスを受けた時、「他の選択肢は?」と聞こう。
4.あなたの話をきちんと聞かない人は疑う
すべての状況に適応させることのできる解決策はない。かならず状況に合わせて最適な解決策を選択する必要がある。
そのため、アドバイスをするためには現在の状況を正確に把握する必要があるが、ろくに話をきかず「こうしなさい」という専門家もいる。
医者なのに患者をろくに診ないで薬を出す人と同じである。
「我々の状況をどう理解していますか?」と確認しよう。説明を渋っている人は、おそらく何もわかっていない。