最年少上場社長、ということで一時期話題となった「リブセンス」の業績がかなり落ち込んでいる。
求人情報「リブセンス」株急落のなぜ SEOがうまく機能しなくなったせい、との見方
「成功報酬型」の求人情報メディアなどを運営する「リブセンス」の経営が変調をきたしている。2014年5月16日の株価はストップ安を付け、年初来安値を更新した。
同社は2014年12月期第1四半期(1~3月期)決算を、5月15日に発表した。売上高は前年同期に比べて伸びたものの、広告宣伝費や人件費の負担が増えたことで営業利益、四半期利益は減益だった。
(Jcastニュース)
ストップ安ということで、市場はかなり厳しい見方をしている。
あれ?業績は伸びているのでは?と思った方もいるかもしれない。このページを見ると、順調に業績を伸ばしているようだが、(下のグラフ参照)実はからくりがある。
売上高
営業利益
実は、四半期単位で見ると、既に2013年2Qを境に、業績は下降していた。2013年度は業績が良いように見えたが、実際には上半期が良かっただけであり、下半期の業績は全く伸びていない。
(出典:http://takanoridayo.blog.shinobi.jp/Entry/246/)
リブセンスは「採用祝い金」という成果報酬を求職者に渡すことで差別化を図り、採用ビジネスの一角に食い込もうとしてきた。
しかし、それなりに規模が大きくなりビジネスを模倣されだすと一気に競争力を失ったと思われる。実際、決算短信を見ると、前年同月に比べて販管費が異常に膨らんでいる。
商品の競争力の劣化を埋めるべく、広告・販促に巨費を投じたのである。
”2014年1~3月期に、リブセンスの広告宣伝費が増えたのは、求人サービスの認知度や集客力のアップを狙って複数の地方都市で「ジョブセンス」のテレビCMを展開したためだ。
とはいえ、同社の求人情報サイトの利用者は、ヤフーやグーグルなどの検索エンジンからの流入が多いはず。
そんなこともあって、インターネットなどでは「テレビCMを投入したのは、SEO(検索エンジンの最適化)がうまく機能しなくなったためではないのか」との憶測が広がった。つまり、ネット検索の上位に「ジョブサイト」が引っかからなくなってきたのではないかというのだ。
ネットでは、そのことを指摘する記述が多くみられる。たとえば、
「リブセンス、一応検索してみた。アルバイトで9ページ目、求人で4ページ目って…」
「ジョブセンスは去年の12月初めにアルバイトで2ページ目に落ちてからじわじわ落ちてったな」といった具合だ。”
(Jcastニュース)
実際、現在のリブセンスの運営する求人サイト「ジョブセンス」はGoogle検索では10ページ目にまで落ちている。そのかわり、広告にはお金をかなり使っているようで、リスティング広告の表示位置は常に1位だ。
たしかに広告・販促は大事であるが、それが「商品の劣化」を埋めることは絶対にない。広告に巨費を投じ、無理やり業績を伸ばすのではなく、じっくり商品を改良し、長期的に見て業績を伸ばすことのほうがはるかに大事だ。
だが、「上場する」とは、短期的視野しかもたない多くの株主の期待にこたえることが必要となる。そのような厳しい環境の中でこれからリブセンスは復活できるのか、社長の頑張りどころだ。