3023369945_9cc989b0ea_oある営業の方から、偉い人の前に出ると、物怖じしてしまうんです、という相談を先日受けた。確かに彼は社長の前や、営業先のお偉いさんの前では萎縮してしまっているようだ。

彼は「やっぱり、オーラのある人には近寄りがたいですね」と言っていた。

 

また、別の学生からは、「人事の面接はそれほど緊張しないんですが、社長面接ではとても緊張します。やっぱり、社長は威圧感がちがいます」と言っていた。

恐らく、彼も「オーラ」を感じたのだろう。

 

 

「オーラのある人」という表現を彼は使った。なかなか面白い表現である。言い換えれば、「カリスマ」というものなのかもしれない。

かつて私もコンサルタントとして駆け出しのとき、相手の経営者や有名な方々から「オーラ」を感じることがあった。だが、萎縮してしまうのは仕事にも支障が出る。

私は、対策を取るため「オーラ」の正体が知りたかった。

だが、それはあっけなく解決した。

 

 

「「オーラ」なんてものを発している人間は居ないよ。」

と、その友人は言った。

「みんな、それを感じているのに?」私はどうにも納得がいかなかった。

彼は言った。

「「オーラ」というものは、人が発するものではなく、周りの人が勝手に感じるものだよ、考えてみるといい。例えば孫正義を全く知らない人が、街中でかれを見て、彼からオーラを感じると思うかい?」

「…どうだろう」

「彼のことを知る人しか、オーラを感じることはない。その人の背景や地位をかってに恐れているだけだ。」

 

その考え方は、私にとってかなり有益なものだった。

実際、その話を聞いて以来、どんな人にも「オーラ」を感じて萎縮することはなくなった。それは、単なる思い込みの産物だった。

私は勝手に、彼らに「オーラ」を感じていただけだった。そして、目の前の話に集中すると、目の前の人が「本物」か、そうでないかを判断する事ができるようになった。

 

 

私は、件の営業マンと、学生にその話を聞かせた。彼らは、半信半疑であったが、「そう思うことにします」と言ってくれた。

 

後日、その営業からメッセージが届いた。

”「オーラは周りの人が勝手に感じるもの」っていうのは、まさにそうですね。

肩書とか、業績とか、とりあえずそう行った情報をすべて除いて、目の前の人が今何を言ったか、ということだけに集中したら、全く緊張しなくなりました。”

 

その人が成したことや、肩書などに畏怖するのも良い経験ではある。しかし、「今、目の前でこの人が何を言っているか、やっているか」だけに集中してみてほしい。

きっと、別のものも得られるだろう。

 

 

 

 

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(Photo:luis sandoval)