「働きたくないなら、働かなきゃいいじゃない。」と、知人は言った。「働けなんて、誰も強制していない。」
ふーん、と思った。
「でも、働かなかったら、ヒマじゃない?あと、生活はどうする?」
「いや、別にヒマじゃないよ。図書館行ったり、散歩したり、別に公園で昼寝しててもいいし。」
「生活はできるの?」
「まあ、実家にいるからね。知り合いの仕事をちょっと手伝って、小遣いもらったり、たまに日雇いのアルバイトしたり。まあこれでなんとかなってる。」
彼は「働きたくない」と言って、数年前に突然仕事をやめた。職場の雰囲気から、自分のやっていることまで突然全てが嫌になったそうだ。
彼は言う。
「「働きたくない」っていうやつが職場にいるほうが、よっぽど迷惑だろう?だから、やめてやった。大体、職場にいてダラダラ仕事して、それで会社に文句言っている奴が、一番たち悪いよな。一生懸命働いている人に失礼じゃないか。」
彼には不安がないのだろうか?と思う。
「将来とか、不安じゃないの?」
彼は、こともなげに
「もちろん、不安だよ。」
と言う。
「え、それでいいのかい?」
「いいよ別に、結局人間は生きているだけで不安なんだよ。そんなことわかるだろう? むしろ不安に負けて嫌な仕事をするほうが、よっぽど人生の無駄だね。」
「なるほど、将来お金に困る心配は無いと?」
「いや、そういうことを言っているんじゃない。絶対困るだろうね。だから友達だけは大切にしようかと。オレが困ってたら、なにか仕事させてね。」
「皆に、そう言って回ってるの?」
「そう。友達がいれば、生きていけるから。ありがたいありがたい…」
呆れたやつだが、ただ会ってみるとかれは憎めない男だ。特有の人懐っこさがある。
「わかったよ。じゃあ、ニートから見た世の中の記事でも書いてくれよ。」
「今は困ってないから大丈夫。」
まったく、アテにならないやつである。
ただ、考えてみると昔から「働かない人」は一定数世の中に居たにちがいない。定職につかず、ブラブラしている人々。なんとなく知り合いを頼って生きる人々。
特に珍しいことでもなく、目くじらを立てることでもないのだろうと、ふと思った。
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(Photo:Children’s Bureau Centennial)