14110619440_7c7df32285_z人とお会いすると、話が合い、「なんか一緒にできるといいですね」という話題になることがある。

気の合う人と一緒に仕事することは楽しいものであるし、実際にコラボレーションすることは社外人脈を作ることにつながり、また違った成果を生み出すものだ。

ただ、気が合っているにもかかわらず「何か一緒に仕事できるといいですね」といったまま、結果的に何もない、という結末に終わることは結構ある。なぜ彼らとは切れてしまったのだろうか、なぜコラボレーションできなかったのだろうか。

 

そこで原因を調べると、幾つかの条件に合致しなければコラボレーションはうまく行かないことがわかる。結論から言うと、「何か一緒に仕事できるといいですね」を現実にするためには5つの条件がある。

 

1.成果が一致している。

目指すべき場所が同じでなければ、一緒に走れない。

例えば昔、私は情報セキュリティのコンサルティングをしていたことがある。その時にかなり長期間にわたって保険会社とは一緒に仕事をすることができた。

彼らと私は、「顧客のセキュリティに対する不安を取り除く、そのために仕事を取る」という成果が一致していた。

 

2.成果を得る手段が一致している。

成果を得るための手段を等しくしなければ、一緒に走れない。

セキュリティのコンサルティングは、「集客」の手段が一致していた。我々も、彼らも

「セミナーで、セキュリティ対策について講義する」⇒「顧客に興味を持ってもらう」⇒「営業」

というステップで仕事を獲得していた。手段を等しくすれば、話は進みやすいし、お互いの持つノウハウを活かしやすい。

 

3.お互いの強みを、お互いが必要としている

「一緒に働く理由」としてもっとも重要なのは、この理由である。すなわち、「相手のできること」をお互いが欲している時である。

当時、我々はセミナーのテキストを持っていたが、顧客を知らなかった。保険会社は名簿を持っていたが、顧客に対して集まってもらう理由を持たなかった。

そこで我々はお互いのできることを交換し、一緒に事にあたった。

 

4.成果を分け合える。

どちらかが一方的に得をする取引は長続きしない。

また、あまりにも単価が違ったり、利益の額が異なるようなコラボレーションは、どちらかが疲れてしまう。

当時は、目標とする顧客の獲得件数がほとんど同じであり、彼らの獲得する成果と、我々が獲得する成果は、ほぼ同じであった。

 

5.スピード感が同じである。

1〜4が同じであっても、最終的に「実行に移すまでのスピード感」が異なる相手とは一緒に仕事がやりにくい。

保険会社はかなりの大手企業だったが、責任者がスピード感を持ってことにあたっていたため、コラボレーションすることができた。

我々のような中小企業のスピードに合わせてくれたのだろう。責任者の努力には頭がさがるばかりである。

 

 

以上のように、他社との協業は条件が厳しく、一緒にうまくやれる相手を見つけるのはなかなか難しい。どちらかがお金を支払って「何かをしてもらう」方が遥かに簡単である。

だが、社外の人と仕事を行うのは良い経験になることも間違いない。仕事をおぼえてきたらトライすべきことの一つであるといえるだろう。

 

 

 

 

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(Photo:Cowork Klitmøller)