a0008_001850会社において、意見の衝突は日常茶飯事である。あるいは、「衝突」までは発展しないまでも、意見の相違が無いことは殆ど無いだろう。

ただ、意見の衝突があった場合、「どちらが正しいことを言っているか」を判断することは難しい。もちろん、お互いに「自分のほうが正しい」と思って主張してるのだから、それぞれに一理あるのだ。

 

従って、理想的には「お互いに腹を割って話した上で、合意に達する」のが良いのだが、そうそう都合よく合意形成ができるとは限らない。

 

そんな時には、是非使って欲しい方法がある。これは、「意見の正しさ」をある程度客観的に判断できる方法なので、お互いが納得しやすい話し合いの方法だ。抽象的な話ではわかりにくいので、例を挙げよう

 

 

鈴木さんは、成績が良い部下の「五郎さん」を昇進させるべきだと考えている。

佐藤さんは、「五郎さん」の仕事ぶりは認めつつも、勤務態度が良くないことをあげ、昇進は見送るべきだと考えている。

 

 

通常、意見が出た所で複数の意見を比較検討する。比較検討の際には「費用対効果」を推定することがよく行われるが、ほとんどの施策は「やってみなければわからない」事が多い。特に人事においては、「費用対効果」を測定することは不可能に近い。「任せてみなければわからない」のである。

 

さて、この時点で会議は膠着している。どのようにこの状況を打開するべきだろうか?

 

ちょっと考えてみて欲しい・・・・・・・・。

 

 

 

もちろん、万能の方法はない。しかし、最も有効だと考えられるのが

「話の次数を上げる」

という行為だ。

 

 

話の次数を上げるとはどういうことか。次の2つのことを決めることである。

  • この行為の目的は何か
  • この行為が成功したとみなされる判断基準は何か

 

つまり上の事例で言えば、五郎さんを昇進させることは何が目的なのか、五郎さんをの昇進が成功であったとみなされるための基準は何かを話すことが、「話の次数を上げる」という行為だ。

 

鈴木さんは「昇進という行為」の目的は「業績向上」に繋がると考えている。判断基準は「目標の達成度合い」だろう。それに対して佐藤さんの昇進させる目的は「模範的人物を人の上に立たせる」という考え方であり、判断基準は「社内のモラル」である。

さらに、目的についての価値基準が異なるようであれば、更に「話の次数を上げる」事が必要だ。こうして、最終的には「会社の理念」や「会社の方針」と照らし合わせることになる。

 

 

このように、ある行為に対してその見解に相違がある時、大抵の場合は話の次数を上げる事によって出来るだけ客観的に話を進めることができる。