アイデアのつくり方という言葉は、有名な本なのでご存じの方も多いと思うが、ジェームス・W・ヤング氏の「アイデアの作り方」という本に書かれた一句である。著者のヤング氏は、広告代理店での仕事を元に、この本を書いたという。

 

 

「アイデア」というものは、些細な仕事から、非常に難しい仕事にいたるまで非常に重要なものだ。ちょっとした工夫や、仕事を先に進めるための試行錯誤まで、「アイデア」無しには仕事は成り立たない。

逆に言えば、アイデアを全く出さなくて良い楽な仕事ばかりしていては成長は望めないばかりか、世の中に置いて行かれるだろう。

 

 

しかし、「良いアイデアを出す」ということは「才能のある限られた人々だけに許された行為」と考えている人も多い。「私になんて、大したことは考えられないですよ」であるとか、「自分にはそんな才能はないんで」と、いってしまいがちである。

しかし、そんなふうに考えている人にこの本は強烈にパンチを食らわせてくれる。

 

この本は2つのことを教えてくれる

  • 「アイデア」とは、誰でも出せるものである
  • 「アイデア」は一定の方法によって、継続的に生み出せる

 

第一に、著者は、アイデアというものは、「誰でも出せる」という。なぜなら、本質的に「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」からだ。

要するに、全く新しいものを生み出す、ということではなく、「既存の知識などを組み合わせることにより生み出される」ものがアイデアだ、と言っている。「新しいものを生み出したければ、先人たちの業績を知ることから始める」のがもっとも良い。

 

よって、第二に著者が述べていることはシンプルなアイデア出しの手法である。

1.アイデアを生み出すための材料をたくさん集める

2.考える

3.寝かせる

4.ひらめく

5.実行する

 

以上、カンタンすぎるくらいの5ステップだ。個人的にはポイントは3.ではないかと思う。アイデアは、既存の要素の新しい組み合わせであるから、「なにか違うことをしている時にふとひらめく」ことが多いのは偶然ではないだろう。

 

「アイデア」という抽象的な概念を「既存の要素の新しい組み合わせ」と具体的に定義したところに、この著作のすばらしさがある。極めて短時間で読める薄い本なので、ぜひ読んでみて欲しい。