相変わらず採用担当者は「コミュニケーション能力」が大好きである。経団連の調査によれば、新卒採用で特に重視した点として「コミュニケーション能力」をあげた会社は全体の8割を超えている。
新卒は、最初にどの会社に入るかで今後の人生が大きく左右されると考えており、企業の考える「コミュニケーション能力」の実態を知ろうと必死である。
では、コミュニケーション能力とは何か?
殆どの企業は数回の面接でこれを測定しようとしており、これは仕事をする上で究極的に重要な
- 信頼関係を築く能力
- 協調性
- コンセンサス形成能力
- 折衝・交渉能力
といった深い話ではなく、広義の「コミュニケーション能力」の表面的なほんの一部であろうことは予想できる。(逆に、数回の面接だけで上のような能力を測ろうと思っている担当者は直ぐに担当を降りるべきだ)
では、企業の採用担当は何を見ているのか?
自分の経験では、殆どの会社は「質問にきちんと答えているか?」を見ている。言い換えれば、就活での「コミュニケーション能力」は「結論から言う能力」である。
例を挙げると
「あなたの得意なことは何ですか?」という質問に対して、「XXが得意です。」という回答がきちんと成されることを期待している。コミュニケーション能力の低い人は、ここで「私はずっとスキーをやっていたんですが、毎年合宿では幹事を務めていました」と言ったように「質問に答えない」のだ。
担当者としては上のような回答をされると、「イラッと来る」のだ。「結局、スキーなのか、皆をまとめるのか、何なのよ?」と。
カンタンなことのように思えるが、これが緊張した状態でもきちんと出来る人は意外に少ない。
例えば、営業マンに対して「この金額の根拠を教えて下さい」と聞いた時に、「その見積はサービス提供に必要なすべての作業が入っていまして、上から説明しますと・・・」などと長い話をされると、「イラッと来る」のと一緒だ。
当意即妙に出された質問に対してこれを行うのは、簡単そうで難しい。
ただ、訓練によってこの能力は伸ばせるし、こんなことで内定が取れるのだから、練習する価値はある。