私の友人に、変わった人がいる。彼は料理が得意で、よく自炊をしていたそうだが、その中でキラリと光るテクニックが、「炊飯器の使い方」だ。
彼は、炊飯器は「万能調理器」といって憚らない。彼に「炊飯器で何ができる?」と聞いたところ、
まず最初に返って来た答えが、「カレー」であった。炊飯器でカレー?と思って調べてみると、世の中は広いもので、
というまとめがあった。いろいろな人がいるものだ。
「でも、一つだけ欠点がある」と、彼は言う。
「ご飯が炊けないんだ」
ところで、他に何に使える?と聞いたところ、次に「お好み焼き」という答えが返って来た。
お好み焼き・・・どうやって作るのだろう。
お椀に、小麦粉、水、キャベツ、天カス、その他お好みの具材を入れて、かき混ぜる。それを炊飯器の中に敷き詰めて、蓋を閉めて
「焼けたな」と思ったら、蓋を開けてひっくり返して、更に少し焼いて出来上がり。
「味は?」と聞いたら、「覚えてない」とのこと。「なんか、作れるな、と思ったんだ。」と言っていた。
さらに、「焼き肉」もできるらしい。
どうやるの?と聞いたら、炊飯器に肉を入れて、蓋して焼くだけ。とのこと。「蓋を閉めないと、スイッチが入らないからね」という。
ちなみに、いろいろな肉で試したところ、鶏肉がもっともよいとのこと。
さらに、「インスタントラーメン」や、「パスタ」も可能。いずれも水と麺を放り込んで、蓋をして暫く待つと出来上がり。横着な人にはぴったりだ。
・・・と思っていたら、上には上がいた。
「お客さんは、決して作り手の思った通りに商品を使ってくれない」ということの好例なのかもしれない。