もしあなたが下のように聞かれた時、どちらの会社で働きたいと思うだろうか。
1.「うちの会社は自由です。成果を自分で設定し、やり方もあなたが決めてください。上司はあなたのサポートをします。給与はあなたが設定し、達成した成果に応じて、1年単位で改定されます。」
2.「うちの会社は、決められた成果を、決められたやり方でやっていただきます。上司の言うとおりにやって下さい。その代わり、一定額の給与と、定期昇給を保証しましょう。」
私の知人たちに聞いたところ、1.を選択した人が多数派だった。
「自由が良い」
「責任は自分でもつ」
「命令されたくない」
彼らは皆、そのように述べた。
だが、2.を選択した人も少なからずいた。彼らはこう言った。
「指示を出してもらったほうが、仕事がしやすい」
「給与が安定していたほうが良い」
「成果が出る保証がない仕事はしたくない」
要は、価値観が異なるということなのだろう。どちらが良い、悪いという話ではない。だが、価値観が異なる会社に入ってしまった方はかなり悲惨である。
つい先日も、あるスタートアップにおいて「うちの会社に入った新人、3ヶ月で辞めてしまったよ」という話を知人から聞いた。
「理由は何だったのですか?」と尋ねると、
「「うちの会社は、会社の目標だけを示して、あとは何もしてくれない。自由すぎて耐え切れない」と言って辞めていった」 と教えてくれた。
「優秀な人だったのですか?」と、私は聞いた。
「誰もが知っているあの有名私大出身で、国内の某最大手メーカーで働いていた。経歴が立派なので、社長は「すぐに来てくれ」といって、採用したけど、ダメだったね。いつも社長は学歴や経歴だけ見て、失敗するんですよ。」
「合わなかった、ということでしょうか。」
知人は、ちょっと首をひねり、こう言った。
「どうなんだろうね。まあでも彼はこんな小さな会社でなく、大手企業で働いていたほうが性に合っているんじゃないですか?」
たしかに、どちらにとってもいいことはなさそうである。
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