先日ある経営者の方と話をした時、「人脈自慢」の話題となった。彼は経営者の会合などに行くと、人脈自慢が多く辟易しているということだ。
「人と話すと、結構な割合で、「人脈自慢」が飛び出す。どうしても「◯◯さんと知り合いである」ということを誇りたくなってしまう気持ちが、抑えきれない人は多いのではないだろうか」
と、彼は言う。
ただ、自分の敬愛する人の話を、ぜひ目の前の人にも知ってほしい、という純粋な気持ちからの場合もあるから、必ずしも人脈自慢が悪いこととは言い切れない。
だが、聞いている人にとって必ずしもあまり心地よいものではない。それは、「あの人の人脈自慢が鬱陶しい」という陰口が多いことからもわかる。
したがって「人脈自慢」は、基本的に見苦しいものであると認識し、相手にとって本当に必要な情報である時以外は自重するのが、大人の態度、というやつであろう。
彼に
「自慢をしないよう、どのように自重しているのですか?」
と聞くと、人脈についての話をしたくなったら、次のことを思い浮かべる、と回答していただいた。
1.その人脈は、相手にとって役立つものか?
目の前の方は、自分に関係ないあなたの人脈など、どうでもいいのである。会話を盛り上げたいなら、余計な話はしない。
「あの政治家と知り合いで〜」と言った話は、基本的に面白い話ではない。仮に「その方を紹介してもらえますか?」と聞かれた時、紹介できるような方の話でなければ、持ち出すのは無駄だ。
2.紹介される側にメリットがありそうか?
人脈の話を持ち出すときは、まず目の前の話し相手にとってメリットがあることを考えなければならないが、さらに、紹介される人にとってもメリットが生じることが肝心なのは言うまでもない。
3.自分の虚栄心から出る話ではないか?
人は虚栄心には敏感である。相手に「すごい」と思われたくて持ち出す話は、残念ながらすぐに自分の見栄を見抜かれる。それは、お互いの関係にとってあまり良いことではない。
4.目の前の人とのつながりを一番大事にする
この場でもっとも重要な人脈は、目の前の人とのつながりだ。他の人を持ち出すのではなく、目の前の人の話を聞くのが最も有意義である。
では、「人脈自慢」を自重していらっしゃるのですね、と尋ねると彼は
「いやー、失敗も多いですよ」
と、正直に言っていただいた。まあ、それが人間である。
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