ブランディング22の法則企業の行わなければならないことの一つとして、「ブランディング」と呼ばれるものがある。

 

ブランドとは、

”ブランドとは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。

当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。”

(wikipedia)

 

wikipediaの定義が正しいかどうかは議論の余地があるが、ブランドには様々な解釈が付け加えられており、ブランディングは経営学の一端を担う分野でもある。

その結果、「ブランドを作り上げれば、差別化できる」「ブランドは高価格を維持できる」など、ブランドへの「過剰な信奉」とも呼ぶべき状態を引き起こしている。

 

 

しかし、「ブランド」は万能なのだろうか。万能とはいえなくても、少なくとも、我社の商品の価値を高めてくれるものなのだろうか。

これに対して、「イノベーションへの解」を著したクレイトン・クリステンセンは、「ブランドにもコモディティ化や脱コモディティ化が生じる」と述べる。

つまり、「意味のあるブランド」と、「意味のないブランド」が存在するということだ。

 

クリステンセンはこう述べる。

”ブランドに最も価値が有るのは、価値連鎖の「まだ十分でない」段階である。顧客が製品の性能に不安を持っている時、周到に作られたブランドがあれば、得体の知れないメーカーの製品を購入する不安を軽減して、顧客が必要とするものに近いイメージを与えることができる”

つまり、市場に信頼感の高い製品が供給されているという自信を顧客が持っていない場合、ブランドが機能する。

 

クリステンセン自身は、「ファッション商材のようなものにもその法則が適用されるのか」という生徒からの質問に対して、「そんなものは検証したことがない。知らん」と言っている。

おそらく、服や化粧品、香水など、ブランドが重んじられる世界では、ブランドを機能させるためには「常に、顧客は不安であることが必要とされる」。したがって、アパレル産業は次々に新しい流行を創り出し、常に顧客を不安にさせることを行う。

したがって、クリステンセンの指摘は、アパレルにおいても正しいように見える。

 

 

ブランディングは買い手が大きな不安を持つところで真価を発揮する。それは多くの場合、顧客に情報がたりず、売り手に情報が集中するような市場、たとえば不動産や金融、アパレルなどだ。

 

蓋し、Webなど、情報の非対称性を解消するツールは、今後多くのブランドを破壊していくのかもしれない。