楽天が「楽天日本一大セール」と銘打って行っていた特売において、元値を不当に高く表示し、現在の価格が「おトク」であるかのように見せかけたという問題について、4月25日に楽天が謝罪会見を行った。
”楽天、二重価格表示問題で謝罪会見~従業員18人が店舗に不当価格表示を提案
「楽天市場」では、昨年行った楽天日本一セールなどで、通常価格で販売しているにも関わらず、通常価格の表示を2倍以上に釣り上げるなどで半額以下のセールと見せかける不当な二重価格表示が指摘され問題になった。
元値をつりあげてセール価格を安く見せかける二重価格表示は、景品表示法違反の有利誤認に当たる可能性がある。楽天は当時、店舗の独断で行ったこととして、不当表示が確認された17店舗について出店停止措置を発表した。
しかし、今年3月20日に楽天社員が元値のつり上げ表示を店舗に指導していたと一部報道機関が報じ、モール運営者である楽天の責任を問う声が高くなっていた。
4月22日に開催された消費者庁の消費者委員会「景表法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会」でも、モールの責任も問うとの消費者庁見解が出たという報道もあった。”
結局、楽天側の責任もあったようです。
”調査を実施した結果、不当な二重価格表示の提案を行った事実が確認された楽天従業員は18名、楽天従業員が不当表示の提案を行った店舗は合計28店舗だったと発表した。
楽天では調査では組織的な指示があったことを示す事実は確認できなかったことから、「不当表示の提案は組織的に行われたものではないと判断した」としている。”
実際に組織的な指示はなかったのだろうか?内部調査で発表されたことだけを素直に受け取る訳にはいかない。個人的には「あってもおかしくはない」と思う。
楽天の営業目標が厳しいのは有名だ。
業務の9割程度は広告営業に時間を割きます。
大体1人あたり80~120店舗程度を担当し、とても全ての店舗さんを
1人で細かく管理をしたり商談の場を設けることが難しいので、
基本は電話でコンタクトを取ります。
新人の最初の仕事は担当になった店舗さん全てに挨拶の電話をかけて、
状況を聞き、悩みを聞いたり、広告を売ったりします。
数が膨大なため、常に電話をしている状態です。
受話器を置いていると怒られました。”
こういった電話営業を熱心にやっている会社はそれこそ本当にたくさんある。私が以前在籍していた会社も、似たようなことをやっていた。
あくまで私見だが、私が見たそういった営業の人達は皆疲れていた。離職率は高く、深夜まで残業することもザラだった。
何件かの不正も見た。注文をとれていないにもかかわらず、「注文がとれた」ことを偽装するような不正だ。でもそれは営業だけが悪かったわけではない。営業マンの成績が可視化されているので、成績が悪い営業は徐々に追い詰められていく。そういったことの弊害だったように思う。
人を追い詰めることによって得られる営業のパフォーマンスは、体罰を行う部活とと同じく「恐怖」を源とするパフォーマンスだ。
そんなものは長続きしないし、いかに企業が業績を上げたとしても、社会的には害悪としかならない。
楽天の内部について私はよく知らない。が、これは氷山の一角のようにも思える。