現代人には時間がない。そう、とんでもなく時間がありません。会社勤めをして、10年、20年、30年、忙しく過ごしているうちに、いつの間にか老人になっている。ドイツの作家であり、「はてしない物語(ネバー・エンディング・ストーリー)」の作者であるミヒャエル・エンデは、かつてその「モモ」という作品の中で、現代社会の忙しい現代人を風刺しました。

(ちなみに、とても面白い本です!)

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

 

 

また、「八重の桜がパッとしないわけ」という記事の中に、

現代人はますます短気になり、待てなくなっている。テレビを見ることすら、1時間座らさせることに耐えられない

という考察があります。

 

そういえば、自分も最近はテレビ番組を通常の速度で見ることはなく、殆どの番組を倍速で見ています。理由は単純で、

「内容は少し知りたいが、かといってテレビを見ている時間はもったいない」

と思っているからです。

 

なぜこんなにも時間がないのか?

もちろん答えは一つではありません。ですが、3つほど言えることがあると思います。

 

1.仕事をしている時間が長い

仕事はますます高度になり、成果を出すには、膨大な時間を必要とします。ユニクロで店長が長時間労働を行うのは、必然です。一日に仕事を15時間もすれば、手元に残る時間はほんの僅かです。

2.エンターテインメントの選択肢が多すぎる

電車の中を見渡してください。殆どの人がスマートフォンを見ています。そこから提供されるニュース、ゲーム、書籍、動画など・・・。様々なエンターテインメントすべてを楽しむ時間はありません。

3.人とのつながりが増えた

現代人は1人になりにくくなっています。常にSNSやメッセンジャーなどで同僚、上司、友人、家族などと繋がっており、周りの人は自分からのメッセージの返信を待っています。返事をしないわけには行きません。

 

眼の前に降ってくる様々なイベントや仕事をこなしているうちに、時間はあっという間に使い果たされ、後には老人となった自分が残る・・・。そんなことが現実となっています。

 

ではどうするのか?

「人生の選択と集中」のみがその答えではないでしょうか。

 

本当に人生を費やすに値する仕事ですか?

本当に人生を豊かにするエンターテインメントですか?

本当にその人のメッセージに返信をする必要がありますか?

 

かつてスティーブ・ジョブズはその演説の中で、

「今日が人生最後だとしたら、今日やることは本当にやりたいことだろうか。」「NO」という答えが幾日も続いたら、私は何かを変える必要があると知るのです。

と言いました。

 

そういうことです。