営業は、これまで会社の活動の中で大きな位置を占めてきた。「営業部長」といえば、たいていの中小企業では社長に次ぐNo2であることが多いし、社長が営業部長を兼任しているケースも多々ある。
しかし、最近ではそうでもないようだ。
実は、営業職の人員は確実に減っている。
(出典:2030年 あなたの仕事がなくなる 東洋経済オンライン)
下から2番めの「商品販売外交員」や、「保険代理店・外交員」などは、いわゆる営業職とおぼしき職種だが、大幅に減少している。
また、「営業職は今後大幅に減る」とみる専門家もいる。
CRM、SNS、webサービス、ITの進化で何がどう変わる?「営業職は10年後になくなる」説は本当か?
営業の役割は「ヒアリング」「提案」「コンサルティング」に集約され、担当領域が狭まり専門性が増す。今後10年間で営業の数は半分になる可能性も
(リクナビNext)
なぜこんなことが起きているのか。ある会社の経営者から、ひとつの話を聞いた。
「私は、営業のうまい営業マンからは、物を買わないようにしているんですよ。」
と、その方は言った。
「…なぜでしょうか?普通は逆じゃないかと思うんですが…。」
と、私は思わず聞いてしまった。
その方は、当然、という雰囲気で言った。
「安達さん、なぜ会社は営業力を高める必要があると思いますか?」
「…普通に考えれば、売上を伸ばすためでは?」
「本当にそう思いますか?」
「…どういうことでしょう?」
「単純です。営業しなければいけないのは、黙っていても売れないからです。」
「たしかにそうです。」
「商品が他と変わらなければ、営業に力を入れなければ売れない。」
「仰るとおりです。」
「ということは、商品が平凡であれば平凡であるほど、営業力を高める必要がある。そうではありませんか?」
「正しい…ように思えます。」
「だから、「営業がうますぎる営業の勧める商品」は、商品が良いのか、悪いのか、見分けがつかないんですよ。むしろ、営業が下手くそな人から買うほうが商品の善し悪しがわかりやすい。そうでしょう?」
「…むー。」
「だから、私は、営業のうまい営業マンからは、物を買わないようにしているんですよ。それに、たいていの商品は、webを見れば評判はわかる。営業のくれる情報はあまりあてになりません。
どんな質問にもよどみなく答え、お手本のような対応、そういったものはその営業の力量の高さは示しますが、商品の良し悪しとは関係がありません。」
「なるほど…。」
営業職の人が減っている背景には、このように考える人が増えているのかもしれない、とも思う。
果たして実態はどうなのだろうか。
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(Photo:Hartwig HKD)