就職活動中の学生から、コンサルティング会社ではどのような人が評価されるのか?と聞かれることがある。おそらく会社によって全く異なる文化が存在すると思われるので、一括りにして言うことはできない。
が、私が管理職だった時は比較的シンプルな原理で「使えるヤツかどうか」を判断していた。
まず、性格や個性はあまり関係ない。趣味や交友関係も全く関係ない。当たり前だがプライベートで何をしていようが自由である。
また、「前向き」や「粘り強い」といった特質を挙げる方もいたが、正直言って瑣末な話だったように感じる。人は演技でいくらでもそういった見せかけを作ることができるからだ。そんなものを重視しても仕方ない。
そういったことよりもはっきりと目に見えて違いがわかるのはつぎの5つだった。
1.成果を出す。
条件は成果を出す、だけでも良いくらいだった。いうなれば前提条件だ。どれくらい前提かというと、オリンピックの100メートル走への出場条件が「足が速い」というのと同じくらい前提だった。
ただし、「かなりのチャレンジ目標」が意図的に課される場合があり、毎年必ず目標をクリアしなければダメ、というわけでもなかった。毎年目標をクリアできる人間はチャレンジしていないだけである。それは、「失敗しない人間を信用してはいけない」という言葉に象徴される。
2.仕事が速い。
仕事の早さは重要だった。仕事が早い人はどんどん仕事が集まるので、さらにスキルが上がる。確実に納期を守り、時に前倒しして持ってくる人間は信用された。
だが、負の側面として能力の高い人同士で仕事の早さを追求するとどうしても労働時間が長くなる。若手などは毎日に16〜18時間くらい働いている人も少なからずいた。
要するに、熾烈な競争があった。
3.自信がある。
空威張りではない自信があることは、相手のことを認める余裕があるということだ。協調性や人の話を聞く、と言うのはその現れであり、表面的な技術ではない。
これを勘違いしている人物は、なんとか傾聴や対人関係のスキルを磨いて乗り切ろうとするのだが、大抵の場合うまくいかない。非常時には素の姿が出てしまうのだ。
4.現実的である。
自分がどうにかできることと、どうにもならないことの線引がはっきりしていることを、「現実的」という。
使える人材はどうにかできないことに無駄な時間を割いたりはしない。できることに集中し、そこで成果をあげ、信用やリソースを獲得することで自分がどうにかできることの領域を広げていく。
5.言葉の選択が巧みである。
言い方や、書き方、伝え方、言葉などを軽んじる人は仕事ができない。仕事は顧客をはじめ、あらゆる人に協力してもらい、初めてなし得る。極論すれば、どう人にうまく伝えるか、やってもらうかを真剣に考える必要がある。
もちろん、「口だけの人」もいた。言葉の吟味が人より優れていることで、短期的には信頼されるのだが、1.や2.がクリア出来ていなければ長期的には「使えない人材」となってしまっていた。
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(Photo:Bureau of IIP)