私はサッカーの指導に5年間携わり、晴らしい指導者も、子供の可能性を潰す指導者もたくさん観てきました。

その中で、私は魅力溢れる指導者に共通するものをみつけました。

 

魅力溢れる指導者に共通するもの

それは3つあります。

 

・ありのままの自分をさらけ出せる

ありのままの自分をさらけ出せる柔らかさがある。どんな人に対しても分け隔てなく接し、隠し事の一切もなく全部出せる。

・本質を見ぬく目を持っている

物事の本質を見抜く力を持っている。本当に大切なものはなんなのか、大衆の意見に惑わされることなく自分で思考し、自分で答えを出すことができる。

・独自の世界観を持っている

独自の世界観を持っている人というのは世間の常識や同調圧力を気にしない。流されず自分が大事にしたいもの、大切だと感じているものにこだわりぬく。

 

 

そして、なにより魅力溢れる指導者は常にチャレンジングな人生を歩んでいます。

脱サラして、大自然の中でペンション経営をしながらサッカーチームを育てると決めた人。

世界のあらゆるクラブでサッカー選手として活躍した人。

世界中を旅したバックパッカー。

もちろん経歴がすべてではありません。見栄えの良い経歴などなくても、常識に捉われず、様々なチャレンジを経た人が魅力を身に纏うのだと思います。

 

 

 

魅力ある指導者は、誰かと違うことが当たり前なんだと教えられる

ですから、私はみんなと同じことを求める人よりも、他の誰かとは違うことを求める人に魅力を感じます。

 

私の知る魅力溢れるサッカーの指導者たちはこう言います。

「サッカーっていうのは誰かと同じじゃいけないんだよ」

「自分の内から湧き出る感情を想いを表現しなきゃいけない」と。

 

しかし、残念ながら「学校」という場所は違うことを教えているようです。

日本は誰かと同じでなければヤバいという空気感がありますが、これは学校教育からはじまる日本という国が醸成した常識という空気なのだと思います。

 

学校における指導者たる「先生」に、魅力溢れる人が少ない理由の一つは、この規律を過剰に重視するという風土ではないでしょうか。

先生は正しくあらねばならない。間違ってはいけない。弱さを見せてはならないという空気感に包まれており、規律やルールに捉われてる人が多いように思います。

歳を重ねている人ほどその傾向は顕著です。子供たちにも周りに合わせることを求め、失敗を戒める。そんな先生に魅力を感じることはありません。

 

今の学校は、考え方も感じ方も、好きなものも嫌いなものも、得意なことも不得意なことも。そんな人間の本質をないがしろにして、誰かと同じことを求めすぎているのでしょう。

 

学校の先生になる人の多くは、社会人経験の少ない若者と聞きました。

しかし、子供になにかを指導する人は様々な経験をし、困難を乗り越えてきた人が適していると思います。

学校文化しか知らない先生よりも、様々な経験をした、様々な価値観を知る人間の方が子供に与えられるものは多いのではないでしょうか。

そしてなにより先生自身が好奇心と向上心がなければならないと思います。

 

 

 

サッカーの指導者も、サッカーができるだけではダメ

サッカーを上手くさせるのはそんなに難しいことではありませんが、そもそも指導者に人間としての魅力がなければ子供たちも親もついてきません。

私はサッカーしかしてきませんでした。ですが、未来ある子供と向き合った時に、サッカーしか知らない人間に指導者は務まらないと強烈に感じたのです。

 

指導者にとって大切なのは、人生において大切なことを伝えられるかどうかです。だから、子供達に「人生で本当に大切なことは何か」を伝えることはサッカーだけできたってダメなのです。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく

 

 

 

【筆者プロフィール】

KEI IMAI
桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏(現川崎フロンターレ監督)にサッカーの本質を学び、同時期にスエルテジュニオルスで育成年代のサッカーの指導に携わる。

その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国現在都内で働きながらブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、育成年代の現場の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。

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