ecd4cca49c938e191f43b61727da9352_s様々な会社の採用をやっていると、会社に入ってからの、「新卒のその後」を見る機会が数多くある。そして、賛否両論あろうが、多くの会社では最初の1年間で得られる評価が、そのまま3年後の評価になっているケースが多いと感じる。

もちろん、その後のキャリアが全て最初の3年で決まるか、といえばそうではない。が、会社に入ってすぐに高評価を獲得できるかどうかが、良いキャリアを獲得できるかどうかの分かれ目であるケースは決して少なくない。

「人生の生涯収入はキャリアの最初の10年で決まる」ということが判明

仕事を始めて社会に出る時は「たくさんの給料をもらえるようになろう」と熱い思いを抱く人も多いわけですが、アメリカで過去2億人分の収入データを分析した結果からは、人生のキャリアの初期段階で多くの収入を得ていた人ほど、後年の成長率が飛躍的に伸びる傾向があることがわかりました。

(Gigazine)

もちろん上はアメリカの統計であるが、日本においてもキャリアの最初の努力、すなわち「スタートダッシュ」は重要だ。最初に高評価を得てしまえば、次々に面白い仕事をまかされ、最初の小さな違いが、次第に大きな違いに拡大していくことは十分ありえる。

 

 

しかし、「スタートダッシュ」と言っても、一体何をすべきなのだろうか。

私が観察する限りでは、「スタートダッシュに成功した」社会人は、次の点において、皆、努力していたように感じる。

 

 

1.まずは、この会社で成果を出す、と決意する。

あなたに残された選択肢は一つ、「まずは、今の仕事で成果を出す」決意をすることである。スタートダッシュはここから始まる。

「◯年後に独立する」とか、「本当は◯◯に行きたかった」とか、そういった話は一旦すべて保留しよう。また、口にすべきでもない。仮にそういった話をあなたがしていた、と周りの人が聞いたらどう思うだろうか?

同僚も、上司も、あなたを信頼するに値する人物であると心から思うことはなくなってしまう。

今考えるべきは、「与えられた環境でどう結果を出すか」ということだけでいい。

 

2.社内に積極的に友達と知り合いをつくる。

あなたが学生の時、友達が少なかったとしても、会社に入ってから友達や知り合いをできるだけたくさん創るべきだ。人の話をよく聞き、自慢をせず謙虚に過ごし、相手に対する気遣いを忘れなければ、必ず友達はできる。

そして、会社においての友達や知り合いは、あなたにとってのセーフティーネットとなる。キャリアに行き詰まった時、仕事で困っている時、相談相手は必ず必要だ。

安心して欲しい、学校は見た目や軽妙なトークがもてはやされたが、社会人において最も友人を作るのは、誠実な人間だ。話がうまい必要は全くない。気後れせず、同僚、先輩、そして上司と積極的に関わろう。

相手も、新人に頼られるのはとても嬉しいのだ、拒否する人はいない。

 

3.最初の配属では差はつかない、と知る。

「アイツは花型部署だから、エリート街道まっしぐらだな」とか、「アイツは泥臭い営業部門だから、ソルジャー決定」といったような話がまことしやかに語られるが、そういった話は全部無視して良い。また、「新人研修中の成績」も然りである。

採用側もバカではない。新人研修中の成績が多少違ったからといって、それを後々まで引きずることはない。そんなことをする人事があったら、社長はその人事を早くクビにすべきだ。

仮に泥臭い部署に回されたとしても、それは人事が「あなたに、その適性がある」と認めたということである。仕事は大抵、自己評価よりも他者の評価が正しい。あなたはそこで成果を残せる、と期待されているのだと認識しよう。

 

4.約束は絶対に守る。

約束は絶対に守ること。会社は約束から出来上がっている。納期、締め切り、期限、なんと呼んでも良い。とにかく約束を守ることに細心の注意を払うこと。

会社は最初から新人に成果を求めたりしない。が、「約束を守ること」については、強力に要求する。

そして、万が一守れなかったら、絶対に言い訳してはいけない。相手が悪いか、あなたが悪いかは後の話であって、「約束を守れなかった」ことに対してはまず謝罪する必要がある。それが日本の会社だ。

謝罪して、双方の感情が落ち着いてから、きちんと内容について話をすれば良い。

 

5.成果をあげるために自主的に勉強する。

会社の仕事をやっていれば、給料はもらえるし、クビになることもない。が、あなたのライバルは皆熱心に勉強している。

どこまでが「仕事」で、どこまでが「プライベート」か、区別し、プライベートには一切仕事しない、と決めてもよいが、それを区別していない人には勝てない。

結局は「仕事のできる人達」は、必ず人よりも努力している。

ただ、勘違いしないでいただきたいが、私は「公私の区別なく働け」というつもりは毛頭ない。キャリアは高望みせず、「10人並でよい」と言う人は、そもそもスタートダッシュする必要はない。

だが、高い目標を掲げるならば、あなたのライバルは皆昼夜の区別なく働いているのは間違いない。どちらを選ぶかは、あなた次第だ。

 

6.上司の成功は、あなたの成功である、と知る。

以前にも書いたが、上司が成功しなければ、あなたの成功はない。

サラリーマンが出世するためのただ一つの方法

これは世間の常識である。現実は企業ドラマとは違う。部下が無能な上司を倒し、乗り越えて地位を得るということは起こらない。

上司が昇進できなければ、部下はその上司の後ろで立ち往生するだけである。たとえ上司が無能や失敗のため更迭されても、有能な次席があとを継ぐことはない。外から来る者が後を継ぐ。その上その新しい上司は息のかかった有能な若者たちを連れてくる。

したがって、優秀な上司、昇進の早い上司を持つことほど、部下にとって助けとなるものはない。

上司が嫌なやつだろうが、性格が合わないやつだろうが、あなたの生殺与奪権を持っているのは上司である。上司を成功させるために尽力すること。

また、欲を言えば、上司のさらに上司にも力を尽くすと良い。あなたが困ったときに救い上げてくれる人は、多ければ多いほど良いのだ。

 

 

7.だが、上司に媚びてはいけない。

上司に気に入られることは重要だが、上司に媚びてはいけない。この違いは重要だ。

「上司に媚びる」のは、上司を喜ばせることが目的である。

「上司に気に入られる」のは、成果を上げ、結果として上司に喜んでもらうことである。

この差は大きい。

実際、あなたがもし媚びていれば、一時的に上司は喜ぶかもしれないが、周りをそのような人で固めれば、いずれ成果は上がらなくなり、結果としてその上司も更迭されるなどしていなくなる。

そうした時、あなたは単に同僚から疎まれ、部下から疎まれるだけとなる。どう考えても、キャリアにとってはマイナスだ。

 

8.あれはオレがやった成果だ、と言わない。

いわゆる「アレオレ詐欺」は本当にまずい。「誰が実際に成果を上げたのか」は、現場の人は必ず知っている。ごまかすことは出来ない。だから、余計なアピールをする必要はない。みな、誰がえらいかは知っている。

一時的に「アレオレ詐欺」をする人の回りにいると嫌な気分になるだろうが、放置しておけば良い。必ず良識のある人はいるし、そいつは自分の評価を落とすだけだ。ビジネスで重要なのは、「口」ではなく、「実行」だ。必ず化けの皮は剥がれる。

 

 

 

殆どの人は、自分が思い描いたようなキャリアのスタートではないだろう。

でも、それを勝機に変えるか、無駄に愚痴を言って過ごすかは、全て自分次第だ。

 

 

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