6165064283_e236b2ba1f_zあるキャリアカウンセラーの方とお話をさせていただいた。カウンセラー歴はもう10年近い、ベテランの方である。

 

私はかねてからカウンセラーの方に質問したかったことをお聞きした。

「良いキャリアの作り方、というものはあるのでしょうか?」

その方は言った。

「どんなことがキャリアのプラスになるかは、正直言うと人それぞれでわかりません。恐らく法則性を見出すことは難しいと思います。「良い」の定義も曖昧ですし。」

「そりゃそうですね。」

「でも、はっきり言えることもあります」

「どんなことでしょう?」

「キャリアの壊し方、です。」

「壊し方?」

「キャリアを壊すのは、本当に簡単です。働き手として市場価値を失う行為は、結構はっきりしているものなんですよ。」

「ぜひ聞かせていただけないでしょうか。」

「いいですよ。」

その方は、快く応じてくれた。

 

「一つ目は、ワンマンな方の下で長く働くことです。3年程度なら割りきって修行期間としてちょうどいいのですが、それを超えると徐々に「自分で考えない人」になっていく危険性が高いです。自分で決定できなかった弊害ですね。

また、自分がそうなっていることに気づきにくいのも問題です。そこで社長に気に入られて成果を出していた人でも、他社で「自分で動けない奴」とバッサリ切られてしまうケースも多いです。

これから伸びる会社で働きたいなら、自分で考えて動けないのはどう考えてもマズイです。

 

二つ目は、安定した大企業にとどまり続けることです。これは皆さんよくわかっておられると思います。今どき、一つの会社にとどまり続けるなんていう人は「チャレンジできない人」とみなされてしまいますし、会社もそれを求めていません。

また、大企業で仕事していて、かつ裁量が与えられていない場合には「自分で考えて動けない人」になりがちです。まあ、その会社で一生を終える、という覚悟があるなら別ですが…それはそれで私も尊敬します。

 

三つ目は、厳しい成果を求められないことです。「あなたは、どのような成果を出したのですか?」という質問は転職時に必ず聞かれることの1つですし、結局のところ給与を上げるには成果を出すしかない。

成果を気にせず、責任の軽い仕事ばかりしていた人はこれが上手く言えない。「成果を出す人」はどこでも歓迎なのですが、このスキルが身につくには訓練が必要です。一回は、どこかで厳しく仕事をする必要があります。

 

四つ目は、成長していない会社にいること。マズイですね。成長していない会社は良い人材が居ないですし、本質的に市場がシュリンクしている可能性もある。あなたが経営陣でなければ、さっさと転職するほうが良いです。

「あなたのチカラで会社が立ち直る」なんてことは起きません。経営陣が有能でない会社は全く頼りにならないですよ。」

 

 

あくまで一人のキャリアカウンセラーの意見です、とその方は言っていたが、思い当たるところが数多くある話だった。

 

 

 

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(Photo:SCA Svenska Cellulosa Akt)